こんな事もあります
先日製作、納品したステンレス製吊り棚のお客様から新たなご依頼をいただきました。
厨房のシンクのフタの裏側についている補強材が取れてしまった・・・直りますか?
シンクを使っていない時なのかフタを置いてその上にちょっとした物を置いておくためのフタらしいです。
もちろん、修理可能です。
さて、修理です。
久し振りに薄いステンレス材の溶接です。
ステンレスの板、厚さ0.8mmの加工品です。
![ステンレス製のフタ 裏側の補強材が取れています](https://laboratorio-fujinaga.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_6812.jpg)
スポット溶接が取れてしまったようです。
薄い板の場合ビスやリベットと留めたりスポット溶接で組む事があります。
コレを製作した方、苦労されたようです。そんな印象をうけました。
穴をあけて溶接
今回は補強材に穴をあけて溶接する方法をとりました。
元のスポット溶接の所に穴をあけての溶接です。
板の方で割れがあったら別の場所に穴あけするけど亀裂は入っていなかったので同じ場所へ
![補強材に穴をあけて溶接](https://laboratorio-fujinaga.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_6814.jpg)
穴あけてしてバリを取って、板の方は平らにして錆を落としてからの溶接です。
薄板なので錆があると大変な事になります。
溶接終了
正直、良い状態ではなかったのですが、溶接終了です。
薄板だからといってちょっとしか溶接しないとスグに割れちゃうので穴部分は全周やっておきました。
![補強材穴あけ溶接完了](https://laboratorio-fujinaga.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_6815.jpg)
全周溶接したから取れないって保証はありません、残念ながら
薄いので割れやすいんです、溶接した周囲が・・・
ま、それでも現状の物よりは使えるのではないでしょうか。
溶接が終わったら仕上げの工程へ
溶接部分の焼け取り
溶接した所はキレイにします、溶接の焼けを取り除く工程です。
この焼け取り、単に色を落とすだけじではないんです、実は。
ちゃんとした機械でちゃんとした液を使って溶接焼けを落とすことで錆びの発生も抑えられるんです。
凄いね。
修理だし、来た時よりも美しく って事で
![焼け取り作業、全体をキレイに仕上げ](https://laboratorio-fujinaga.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_6816.jpg)
今回溶接した所だけじゃなく全体をキレイにします。
キレイにする事で見つかる欠陥もあったりしますしね。
さらに受け取ったお客様も全体キレイになっていた方が気持ち良いかなって思うんです。
だから表面も
表面もキレイに
そう思って表面も全体をキレイに。
この工程をする事で錆の発生も抑えられるんです。 メーカーが言うにはね。
![ステンレス製のフタ修理](https://laboratorio-fujinaga.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_6817.jpg)
研磨ではないのでキズは消せないものの全体的な汚れによるクスミが落ちて光ってます^^
なんとなく映り込みが。
で、キレイにする事で見つかる欠陥が・・・
まだ割れる所まではいってはいませんが薄っすらとスジがみえていました。
それはスポット溶接部分のスジです。
気にせずガシャガシャ使ってると割れてしまうので無理な力をかけず、かけ過ぎずに使ってみてください。
お客様に一言説明して修理完了、納品完了です。